全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会2023」
大事な任務の中で再認識した、コミュニケーションの大切さ
田中貴金属グループが継続して協力している、全国障害者スポーツ大会。毎回グループの社員たちが会場ボランティアとして参加しています。2023年は鹿児島市へ。本来なら2020年に開催される予定でしたが、コロナ禍によりこの年まで延期されたものです。愛称は「燃ゆる感動かごしま大会」。まるで夏に戻ったような気温の1日、桜島に見守られながら青空のもとで躍動する選手たちをサポートしてきました。その様子をお伝えします。
ボランティアは、大会運営の要
この大会運営にあたり、ボランティアはとても重要な役割を担っています。受付業務、選手の案内や誘導、練習会場の運営補助、式典や表彰対象者の案内、お弁当の受け渡し、記録データの管理など、多岐にわたります。田中貴金属グループ社員が参加したのは、陸上競技のボランティア。10月29日(日)の早朝、会場である白波スタジアム(鹿児島県立鴨池陸上競技場)に集合し、それぞれの係に割り振られました。担当業務は選手招集所での誘導、競技終了者待機所での迎え入れ、式典表彰のお手伝いといった大会進行上重要な係でした。パラスポーツはもとよりスポーツボランティア初体験の社員も多く、はじめは戸惑いも。しかしボランティアに参加していた地元高校生などの経験者にアドバイスを受けたり自分たちで工夫したり、すぐ要領よくこなせるようになりました。時間帯によってはかなり慌ただしいタイミングもあったものの、活動終了時刻の16時頃にはすっかり手慣れたボランティアに成長していた様子です。
障がい者スポーツ支援の輪を実感
TANAKAホールディングスは日本パラスポーツ協会のオフィシャルパートナーとなっています。今回の大会では同じくオフィシャルパートナーの企業もブースを出展なさっていました。そのひとつが、大会に特別協賛されている大同生命保険株式会社様。ボッチャの体験コーナー、ジェスチャーで参加できるバスケットのフリースローやボウリングなどのゲーム、動きをサポートする装具の体験など、パラスポーツを身近に感じることのできるさまざまな体験を紹介していました。他にも、パラアーチェリーの支援なども続けていらっしゃるなど障がい者スポーツとの関わりはとても長く、30年以上にわたるそうです。
活動を体験して──重要なのは通じ合おうとすること
──田中貴金属グループの参加者に、ボランティア体験の様子や感想を聞いてみました。
地域でのボランティア活動はしていますが、パラスポーツは初めてです。自分でも数多くのスポーツを続けてきたので、アスリートの気持ちは分かります。でも今回のボランティアで、障がい者の方々が普段の生活でどんな苦労をしているかが実感できました。この体験は介護や障がい者と接する時など、どう気配りをすればいいかにも役立つと思います。
今回、コミュニケーションの大切さに気付けたのが一番の収穫だと思います。特に耳や言葉の不自由な選手と手話で意思疎通ができる人たちはすごいと感じましたし、自分でも興味が湧いてきました。これからも機会があれば、スポーツ全般のボランティアをやっていきたいと思います。
選手の集合場所にいて、競技場へ送り出す招集係という役割を担いました。これから競技に臨む選手たちの緊張感が伝わって、競技は迫力がありました。選手の皆さんが持っている障がいはさまざまで、それに応じた補助の仕方があることを、この活動で詳しく知ることができました。レース用の車いすの運び方を学んだり、同じ係の高校生に「通訳が来ます」という手話を教わることができ、そのおかげで手話にも興味を持ち始めています。
入賞者を表彰式の場所まで誘導していく係を受け持ちました。選手やボランティアに参加されている方からパラスポーツについてお話をうかがうことができました。今度ボランティアに参加する機会があれば、もっと選手と深く関われる係もいいなと思います。今後は身近に障がい者がいても、自信を持って接することができると思います。
今のところ田中貴金属グループで行っているパラスポーツボランティアの大半に参加しています。今回は競技を終えた選手の皆さんをお迎えし、表彰者を表彰式会場まで誘導する役割でした。どんな障がいを持っているかしっかり見極め、適切な心配りができるよう取り組みました。筆談用のメモを用意したり、労いを表す手話を活用したり、車いすの介助や荷物をお預かりしたり、僅かな時間に選手の皆さんの役に立ち喜んでもらえるお手伝いができることを同じ役割で活動するメンバーの皆さんと一緒に考え、臨機応変に対応しました。競技を終えた直後の選手の皆さんと短い時間ながら直接接して会話ができる貴重な機会をいただきましたし、私たちボランティアがきちんとコミュニケーションを取ることで、選手の皆さんに気持ちよく終わってもらえたら嬉しいですね。
選手の集合場所に詰めて、競技場内に誘導していました。年配の競技者は落ち着いた様子で、世間話もずいぶんしました。スポーツボランティアは初めてでしたが、楽しいです。初めて会う人や、普段接する機会の少ない障がい者の人たちともコミュニケーションを取れるようになったのが大きいですね。これは仕事にも日常生活にも活かせると思っています。
この日学んだ気配りとふれあい
田中貴金属グループでは、常日ごろからコミュニケーションの大切さを社員に伝えてきました。この大会では、普段は接する機会のあまり多くない障がい者とのコミュニケーションが必要となります。手引やマニュアルを参考にしながら、実際に選手たちと交わり話をしてみることで、個人個人のスポーツとの関わりや気を遣う点など、たくさんの気付きを得ることができました。そういった気付きはこの場だけに留まらず、本来の仕事にも積極的に活かせるものばかりです。多様化が進む環境で、円滑なコミュニケーションを進めるためのヒントとなることでしょう。今回のボランティアのふれあい体験を職場に持ち帰り、より大きく花開かせるに違いありません。 田中貴金属グループはこれからも障がい者スポーツへの支援と協力を続け、みんながともに参加できる社会づくりに貢献していきます。
陸上の競技を終えた選手を所定の位置に誘導し、1~3位の方にその後の表彰式までの仮の順位カードを首から掛ける役目でした。仮とはいえメダルを授与する様で大役に感じました。皆さんが県代表としてこの競技大会を目標に努力され、喜ばれている方、悔しがっている方、サポートされている方や、伴走者の方と喜びを分かち合っている方など、すぐ近くで心温まる場面に居合わせて幸せでした。また障害の違う方や老若男女が、同じ時に同じ場所で競技をされていて、まさにDE&Iを感じられる一日でした。初ボランティアだったこの体験を伝えてゆけると良いですね。来年は佐賀が開催地です。機会が有ればぜひ参加したいです。