最近よく耳にする「サステナブル」という言葉。なぜ今、この言葉に注目が集まっているのでしょうか?にゃんこ&クマさんと一緒に調べてみましょう。
サステナブルな暮らし=
みんなの未来のことを考えて暮らすこと
近所をお散歩していたら、あるポスターをみつけたにゃんことクマさん。
ポスターには「サステナブルな社会を目指そう」と書いてあります。
最近、この「サステナブル」っていう言葉、よく見かけるよね。調べてみたら、「持続可能な」っていう意味らしいんだけど、そもそも「持続可能な」ってどういう意味なんだろう?
たしかに、ちょっとわかりにくい言葉じゃね。「サステナブル」とは、にゃんこの言う通り、「持続可能な」という意味の英語(sustainable)じゃよ。「持続可能な」というのは、簡単に言うと「続けることができる」という意味。このポスターに書いてある「サステナブルな社会を目指そう」というのは、「これからもずっと豊かに暮らし続けられるようにしよう」ということなんじゃ。
このままだと、今のような暮らしが続けられなくなっちゃうの?
そうなんじゃよ。私たち人間は、生きていくのに必要な多くのものを自然から受け取っているじゃろう?水も食べ物も、石油や天然ガスも、すべて「自然のめぐみ」なんじゃ。でも、自然のめぐみには限りがある。このまま使い続けると、大切な自然のめぐみを使い果たしてしまうだろうと言われておるんじゃ。(※1)
だから、僕たちも水や電気を大切に使わないといけないんだよね。
そうじゃね。ただ、人口は今もどんどん増え続けている。今の世界の人口は約81億人じゃが、2050年には98億人に達すると言われている(※2)。人口が増えれば増えるほど自然への影響は大きくなるから、今まで以上に自然や資源を大切にしないと、今のように便利で快適な暮らしを続けられなくなるんじゃ。
僕たちが使いすぎると、大切な資源やきれいな自然を未来にのこせなくなっちゃうんだ!それは、絶対に防がないと!
そうじゃろう?だから今、「サステナブルな社会を目指そう」、つまり「自分たちのことだけじゃなくて、未来のことも考えて暮らそう」と呼びかけられているんじゃよ。
※1 出典:環境省「こども環境白書」P11
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/kodomo/h30/files/full_s.pdf
※2 出典:国連人口基金「世界人口白書」
https://tokyo.unfpa.org/ja/publications/
このまま何もしないと、未来の暮らしはどうなる?
もし、このまま何もしないと、地球にはどんなことが起きるのかな?未来の暮らしはどうなっちゃうんだろう?
本当にいろいろな問題が心配されているんじゃが、特によく話題に上るのは次のような問題じゃ。
地球温暖化
石油や天然ガスなどの「化石燃料」を使って発電したりゴミを燃やしたりすると、「温室効果ガス(二酸化炭素やメタンガスなど)」が発生する。温室効果ガスが増えると地球の熱が宇宙に放出されにくくなって、温暖化が進んでしまうんじゃ。温暖化が進むと高温や大雨などの異常気象が起きやすくなって、自然災害が増えてしまう。また、干ばつや大雨で穀物や野菜が育ちにくくなるので、食べ物が足りなくなってしまうとも言われているんじゃよ。(※3)
資源の減少
石油や天然ガスといったエネルギー資源の埋蔵量には限りがあり、当然ながら私たちが使えば使うほど、未来にのこせる量は少なくなってしまう。なるべく多くの資源をのこせるように、今を生きる私たちが資源を大切に使わなくてはならないんじゃ。
※3 出典:環境省「STOP THE 温暖化 2008」P12
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/stop2008/12-13.pdf
サステナブルな社会のために、何ができる?
このまま何もしないと、本当に大変なことになってしまうんだね。
そうなんじゃ。でも、今から世界中のみんなが協力して取り組めば、サステナブルな社会はきっと実現できるよ。すでに温暖化の原因になる二酸化炭素を減らすための研究や取り組みは世界中で始まっているし、埋蔵量に限りのある石油や天然ガスの代わりに、太陽光や風力、地熱といった再生可能なエネルギー(繰り返し作り出せるエネルギー)を使うようにする取り組みも進んでいるんじゃよ。
僕たち子どもにも、できることはあるかな?
もちろんじゃ!毎日の暮らしの中にも、できることはたくさんあるんじゃよ。例えば、電気やガスを無駄使いしないこと。一人ひとりがこれを心がけるだけで、温暖化の原因になる二酸化炭素量を減らせるんじゃ。あとは、物を大切に使うこと。物を使い捨てにするとゴミが増えて、そのゴミを燃やすために二酸化炭素が発生してしまう。それに、どんどん新しいものを作り出すことで、資源をたくさん使ってしまうんじゃ。
そういえば、うちのお母さんはおばあちゃんにもらった古い金の指輪のサイズを直して、大切に使っているよ。
金などの貴金属は、時間が経っても錆びたり壊れたりしないから長く使えるし、リサイクルもしやすいんじゃ。最近は、使わなくなったパソコンやスマートフォンなどから貴金属やレアメタルを取り出して、リサイクルする取り組みも進んでおるよ。
そうなんだ!じゃあ、使わなくなったパソコンやスマートフォンは家や会社に置きっぱなしにしないで、どんどんリサイクルに出したほうがいいんだね。
そうじゃね。最近では、リサイクルされることを前提にしたものづくりの取り組み「サーキュラーエコノミー」も進んでいるんだ。サーキュラーエコノミーの発想に基づいて作られた製品は、あらかじめリサイクルに適した素材や手法で作っているから、無駄なくリサイクルがしやすいんじゃ。
へえ!いろいろなアイデアが生まれているんだね。
こういった良いアイデアを生むためには、いろんな人の意見を聞くことが欠かせないんじゃ。だから最近では、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)といって、さまざまな国籍や人種、経歴の人たちが一緒に働けるようにする企業が増えているんじゃよ。多様な人と接すると、自分では思いつかなかった視点に気付かされたり、お互いの存在が刺激になって新しいアイデアが生まれたりしやすいんじゃよ。
素敵だね~。そんな企業が増えれば、サステナブルな社会の実現に役立つ製品やサービスもどんどん生まれそう!
楽しみだね!僕たちも未来の人たちのために、省エネやリサイクルを頑張ろうっと。
そうそう、一人ひとりが毎日の暮らしの中で自分にできることをする。それがサステナブルな社会への第一歩じゃ。リサイクルのルールは住んでいる場所によって異なるから、まずは市役所や町役場のホームページで調べてごらん。
はーい!博士、今日はありがとう。
くわしく知りたい
■日本も今や資源大国!限られた資源を活かす「都市鉱山」とは?
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