金の純度の単位「カラット」の由来
一般的に日本では、純金とは金の純度が99.9%以上の金を純金、または24金(K24)と呼んでいます。時計やジュエリーなどの金製品を見たときに「K24」という刻印があれば、それは24金製だということです。K24のKは、金の品位(金が含まれる割合、金の純度)を示す単位・Karat(カラット)の頭文字ですが、なぜK24と表記されるのでしょうか?
その理由は、金の品位の表示には、24を最大の数と考える「24分率」という基準が使われているからです。金の品位が24分率で表されるようになった理由については諸説ありますが、よく知られているのが「イナゴ豆説」です。乾燥させたイナゴ豆は1粒当たりの重さがほぼ均一であることから、古代ギリシャでは宝石や金を量る際の分銅代わりに使われていました。金は「イナゴ豆24個分」の重さを基準に取引されていたため、金の品位を表す単位がギリシャ語でイナゴ豆を意味する「Karat」になり、純金がK24と表されるようになったとも言われています。
K24は99.9%が金。ではK18は?
金の純度は24分率で表されるので、K18の場合は金の含有量が18/24、つまり75%であることを示します。K18は純金75%に対し、割り金(わりがね)と呼ばれる他の金属を25%混ぜて作られます。割り金を混ぜる理由は、硬さや加工のしやすさを調整するためです。
金の割り金となる金属は、主に銀や銅、パラジウム、ニッケル、亜鉛など。金の色は加える割り金の種類によって変わり、それぞれ「カラーゴールド」として装飾品などに使われています。
例えば「ピンクゴールド」は金に銅やパラジウムなどを混ぜたもので、その名の通り、ピンクがかった金色をしています。金と銀を混ぜた「グリーンゴールド」は少し緑を帯びた金色で、日本では「青金」とも呼ばれます。「ホワイトゴールド」は金に銀やパラジウムなどを混ぜて白色化したもので、プラチナやシルバーと似た色をしています。ちなみに日本語の「白金」は、ホワイトゴールドではなく、プラチナのこと。間違えないように注意しましょう。
なお、日本でK24やK18といった表記が使われるようになったのは、1920年代に、田中貴金属ジュエリーの前身である貴金属店「山崎商店」の創業者・山崎亀吉が、組合長を務めた「東京貴金属品製造同業組合」を通じて、品位保証のために表記の統一を提唱したのがきっかけです。以来、約100年にわたって広く使用され、日本の貴金属業界の信用度向上と消費者保護に寄与してきました。
ジュエリーにK18が多いのはなぜ?
一般に日本で流通している金の装飾品には、18金や14金が多いと言われています。これは、さきほどお話したように、金は純度が高いほどやわらかいので、ある程度の混ぜ物をして硬くした方が、加工しやすくなるからです。
しかし、東南アジアの国々やインド、中東では純金や22金の装飾品が好まれているそうです。これは、装飾品を単なるアクセサリーではなく「持ち運びできる財産」と考え、デザイン性よりも純度を重視する人が多いことが理由のようです。
金の装飾品を購入する際は、刻印で品位を確かめ、用途や目的に適したものを選ぶようにするとよいですね。