CSR(企業の社会的責任):トップメッセージ

2020年、そしてその先の
サステナビリティに向け、
グローバルにCSRを推進する
コンプライアンス、ガバナンス、サイバーセキュリティ、災害、安全、環境・・・。
多様なリスクをマネジメントし、「あるべき姿」への道筋をつけていきます。

目まぐるしい事業環境変化を広く深く捉え、先見性を持ってリスクに対処する

GOGO計画2020

 2017年度は、「リスク」というものを多元的に解析し、企業として法令遵守を果たすコンプライアンス、並びに企業統治であるガバナンスを、会社の骨格として常に整備強化し続けていかねばならないと、改めて強く認識させられた年でありました。誰もが知る超一流企業の財務・品質に関わる不正事案、IT化がこれだけ進んだからこそ生じたサイバーセキュリティ・個人情報保護に伴う問題、そしてかつてない程の速度で目まぐるしく変化する世界の地政学情勢といった事業環境においては、リスクマネジメントに対して広く深く理解・追従し、先見性をもって事業活動を継続していくことが、強く求められていると考えております。
 その2017年度は、田中貴金属グループの6年間の中期経営計画である「GOGO計画2020」ファーストステージの3年目にあたり、年度末には折り返し地点を迎えました。この前半3年間で目指す目標を「あるべき姿」とし、貴金属事業の3本柱、即ち産業用・資産用・宝飾用の各事業の業績目標を着実に達成していくこと、そのためにグループ内のコミュニケーション・連携を強めることで事業基盤を確立すべく、活動してまいりました。
 この3年間で、2015年度に社内カンパニー制への組織改編、2016年度に当グループ同様100年以上の歴史を持つスイスの同業社・Metalor Technologies Internationalの発行済株式100%の取得、2017年度には設立以来長らく海外パートナーとの合弁会社であった日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース株式会社(EEJA)と台湾田中貴金属工業股份有限公司の2社を田中貴金属工業株式会社の100%子会社とする等、これまでにない速度で事業基盤の強化・拡張を図ってまいりました。
 それらの事業展開に先んずる形で、当グループ全体のリスク管理を司るべく、「リスクマネジメント委員会」を2015年度に設立し、様々なリスクを抽出、その対応を進めてまいりました。現在においては、自然災害・労働災害・健康障害・環境問題・個人情報漏洩・秘密情報漏洩・紛争鉱物関連・金融派生商品関連と、対応範疇を明確に細分化した上でリスク評価を行い、優先順位を決め対応策を実行しております。
 中でも安全に関して、モノ造り企業として「安全操業」を徹底すべく、全生産現場での安全総点検を実施いたしました。非定常作業の手順の見直し及び、挟まれ・巻き込まれリスクを低減するための改善を実施、また実施状況の確認も行いました。改善作業を全社員一丸となって進めた結果、改善が確実に進められたことは勿論ですが、安全意識の向上も図られ、2017年度の生産現場での災害発生件数は過去最低に抑えることができました。
 また、金融派生商品関連リスクを適切にモニタリングし対処するため、「デリバティブ取引委員会」を2017年度に設置しております。さらに、金融機関を起点に広く認知されている“KYC(Know Your Customer)”に基づき、いわゆる紛争鉱物関連、反社会的勢力との取引排除や、拡げて近年グローバルな要請が進みつつあるCSR調達対応(RBA(旧EICC)・LBMA等)も包含した機能を持った組織として、「取引審査部」を2018年4月に新設しました。
 様々な施策は、事業活動を安定的に継続(企業のサステナビリティ)し、CSR(企業の社会的責任)を果たすために欠かすことのできないものであり、今後もリスクマネジメント委員会を中心にリスク対応を確実に実施してまいります。
 2018年度より始まる「GOGO計画2020」セカンドステージ3年間においては、田中貴金属グループの「ありたい姿」を目指し、グローバル企業へ成長・発展させていきたいと考えています。その展開を加速しながら、世界中のお客様、サプライヤー様、協力会社様をはじめとする、すべてのステークホルダーの皆様にご納得いただくべく、よりCSR活動を推進発展させてまいります。本誌をご一読いただいた皆様には、今後、よりグローバルにCSR活動を推進する田中貴金属グループにご期待いただけましたら望外であります。またそのご期待に応えるべく、邁進する所存です。

TANAKAホールディングス株式会社
代表取締役社長執行役員

田苗 明