CSR(企業の社会的責任):トップメッセージ

「2020年のありたい姿」の実現に欠かせない
確かな事業基盤を、グローバルに構築する

安全と健康を伴う真の生産性向上を追求しながら、多様なリスクにも備え、世界中のステークホルダーの皆様にご納得いただけるCSRを推進します。

真の生産性向上を実現する

 我々が身を置くモノ造り事業・素材業界においても、「第四次産業革命」の最中にいる実感が、近年にもまして強くなってきました。IoTの概念から始まった「生産性向上」の機運は、来るべき働き手不足に向けてAI開発を後押しし、ビッグデータを保有する巨大データセンターがモノ造りの基盤として出現、そこへ日本においては「働き方改革」の側面から、関連法が2019年4月より施行されました。弊社としても、製造現場における生産性向上は従前より連綿と取り組んできておりますが、開発・営業・管理部門においては、より生産性を高めねばならない一方で、この変化するビジネス環境ゆえに生じてくる「包括的な事業運営リスク」を的確に検出・対応し、適切なコーポレート・ガバナンスが保たれた前提でなければ、真の生産性向上には至らないと感じております。
 これを貫く方針として私が最も重視していることが「安全を第一としたうえでの生産性向上」であり、従業員にいつも伝えています。これは製造現場に限っての事ではなく、すべての職種・立場において、心身ともに健康であることが「生産性向上あってこその働き方改革」を継続進化させていくための、知恵と工夫を産む土台になると思っています。

2020年の「ありたい姿」に向けて

 田中貴金属グループでは2015年度より開始した6年間の中期経営計画である「GOGO計画2020」を推進しています。2018年度は「GOGO計画2020」セカンドステージの初年度にあたり、この後半3年間で目指す目標を「ありたい姿」として設定し、貴金属事業の3本柱、即ち産業用・資産用・宝飾用の各事業の業績目標の達成に向けて活動してまいりました。
 産業用事業では複数のトップ人事異動を行い、スイスの主力グループ会社Metalorで2019年1月に社長を交代、前社長が推進した事業基盤を新社長が引き継ぎ、TANAKA+Metalorという「新たな合金」を目指して事業展開を本格化しました。資産用事業では、お客様の利便性をさらに高めた新しいネット積立口座「田中貴金属の純金積立」を同じく2019年1月に上市しました。宝飾用事業においては、田中貴金属を愛してくださるお客様の声にお応えすべく「金といえば田中貴金属=Back to the Gold」への原点回帰を打ち出しました。
 これらのビジネス展開に伴い、グループ全体のリスク管理を司るべく2015年度に発足した「リスクマネジメント委員会」で、当社を取り巻くさまざまなリスクを抽出し、対応を進めております。自然災害・労働安全衛生・環境問題・個人情報漏洩・秘密情報漏洩・紛争鉱物対応・金融派生商品関連と、対応範疇を細分化した上でリスク評価を行い、優先順位を決め対応策を実行しております。

GOGO計画2020

社会価値を生むモノ造りを追求する

 一方で、2018年度は弊社のモノ造りにおける活動を認めていただいた事例が2つありました。一つ目は、中央労働災害防止協会様より、「平成30年度労働安全衛生活動表彰」において「中央労働災害防止協会会長賞」を賜る栄誉に恵まれました。同協会の活動を理解し、モノ造りの安全と労働衛生推進、ならびに地域・業界への貢献が認められる、とのご評価をいただきました。二つ目は、経済産業省が後援、一般財団法人省エネルギーセンター様が主催される「平成30年度省エネ大賞 省エネ事例部門」において、弊社の素材供給のマザー工場である田中貴金属工業富岡工場が「審査委員会特別賞」を受賞しました。貴金属溶解炉や大型加工機械を多数保有する同工場で、多くの動力比を占めるコンプレッサーの動力削減・最適化に関する活動をご評価いただきました。
 そしてKYC(Know Your Customer)に基づく顧客管理、およびCSR調達対応においても、2018年4月に新設した「取引審査部」を中心に強化を継続しております。
 加えて、2019年4月から一部施行された働き方改革関連法への対応を一年前倒しした形で、2018年度より年次有給休暇5日間の計画的な取得促進などに取り組んでまいりました。また2018年12月には健康企業宣言を行い、2019年度中に「健康企業・シルバー認定」を取得すべく活動を強化しております。

世界のステークホルダーの皆様へ

 様々な施策は、事業活動を安定的に継続し、CSR(企業の社会的責任)を果たすために欠かす事のできないものであり、今後もリスクマネジメント委員会を中心にリスク対応を確実に実施してまいります。
 引き続き、グループ内コミュニケーション・連携をさらに強めて事業基盤を強化し、世界中のお客様、サプライヤー様、協力会社様をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様にご納得いただくべく、よりCSR活動を推進発展させてまいります。本報告書を御一読いただいた皆様には、今後、よりグローバルにCSR活動を推進する田中貴金属グループにご期待いただけましたら望外であり、そのご期待に応えるべく、邁進する所存です。

TANAKAホールディングス株式会社
代表取締役社長執行役員

田苗 明