CSR(企業の社会的責任):トップメッセージ

従業員一人ひとりの“個性”を原動力に、
持続可能な未来をめざします。

代表取締役社長執行役員 田中浩一朗

 田中貴金属グループでは、当社の創業200年となる2085年を見据えた上で持続可能な社会や超長期の企業経営をめざす「TANAKAルネッサンスプラン」を2021年度よりスタートいたしました。
 貴金属は、まさに可能性の塊です。宇宙、深海、人体をはじめとしたフロンティアの開拓も、人々の暮らしをより豊かにするデバイスやプロダクトの開発も、貴金属なしに成し得ません。その貴金属の可能性を引き出し、よりよい未来を創り出していくことが、貴金属のリーディング・カンパニーである私たちの使命といえますが、そこには、全従業員の知の結集が不可欠であり、イノベーションが生まれやすい組織文化を醸成していくことが求められます。従業員一人ひとりの個性こそが、当社を未来へ押し進める原動力になる。そのような考え方のもと、田中貴金属グループは2023年4月に、「DE&(I ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」をより積極的に推進していくことを宣言いたしました。新たに設置したDE&I推進室を中心に、従業員一人ひとりが自らの能力を伸ばし発揮できる機会づくりや、互いに刺激し合いともに成長できる環境づくりを進めています。
 また、「TANAKAルネッサンスプラン」において、“サステナビリティ”も重要なキーワードのひとつです。2085年の遥か未来をめざすこの計画自体が持続可能性を追求する行為そのものといえるかもしれません。田中貴金属グループは、創業以来130年以上にわたり貴金属のリサイクルを究めることで循環型ビジネスを構築してきましたが、これからはより高い視座・広い視野で、脱炭素・循環型社会への転換を先導していく企業にならなければならないと考えています。2022年度に表明した「田中貴金属グループカーボンニュートラル宣言」のもと、2050年にCO₂排出量実質ゼロをめざして、現在、各工場や事業所で地球環境を守るためのさまざまな取り組みを加速させています。今後も、希少な資源である貴金属を扱う私たちの強みを活かして、地球環境問題や社会課題の解決に取り組んでいきます。
 2024年4月には、本社を丸の内から、田中貴金属発祥の地・日本橋茅場町へ移転いたします。新本社では「つながろう。 人と、 街と、 未来と。 」というコンセプトを設定し、2085年という遥か未来へと航海を進める田中貴金属グループのコックピットとして、これからの時代を見据えた創造的な働き方を促進する環境づくりを進めていきます。仲間が出会い交流し、多様な価値観を認め合い、意見が自由に飛び交う。そのような組織文化を醸成しながら、持続可能な未来を創っていく。発祥の地・日本橋茅場町から未来というフロンティアをめざして航海を進め、挑戦と革新の歴史をさらに紡いでいきます。

代表取締役社長執行役員

田中浩一朗