CSR(企業の社会的責任):障がい者スポーツ支援活動

第22回全国障害者スポーツ大会
「いちご一会とちぎ大会2022」

いろいろな気付きをもらった、
4年ぶりの全国大会ボランティア

田中貴金属グループは、2016年より全国障害者スポーツ大会にボランティアとして参加を続けていますが、台風の影響やコロナ禍の影響で2019~2021年は大会そのものが中止となってしまいました。そしていよいよ2022年、4年ぶりの開催となる栃木大会でボランティア活動を再開。その様子をレポートします。

コロナ禍を乗り越え、
全国大会が再開

全国障害者スポーツ大会は、障がいのある選手がスポーツ競技に取り組み、同時に多くの人々が障がいへの理解を深めることで社会参加を推進する目的を持っています。2018年の福井大会以降、台風やコロナ禍の影響により中止となっていましたが、2022年に満を持して再開されました。大会の愛称は「いちご一会とちぎ大会」です。開会式は10月29日(土)、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎにて開催。秋篠宮ご夫妻も臨席され、スタジアムのフィールドに集まった選手団約2,000人に向けてお言葉を述べられました。国内最大の障がい者スポーツの祭典はこうして幕を開け、栃木県内各地の会場で14競技の熱戦が繰り広げられました。

久しぶりのボランティアで
高まる気持ち

大会は、会場内外のボランティアたちが一体となって、円滑に運営されています。田中貴金属グループは、社内から募った15人の有志と共に宇都宮入りし、30日(日)のボランティア活動を行いました。ここ数年、台風やコロナ禍による大会の中止や延期などで全国障害者スポーツ大会ではボランティア活動ができませんでしたが、そのブランクの影響でしょうか、有志たちみんな期待感と意気込みに満ちているのがうかがえました。
当日は朝8時前に陸上競技のメイン会場であるカンセキスタジアムとちぎに到着。大会の運営担当者から持ち場の割り振りを受け、メイン会場とサブスタジアムの2箇所に分かれてスタンバイしました。今回、田中貴金属グループからのボランティア参加者が担当する主な業務は、お弁当の受け渡しと容器回収。都道府県ごとに決められた個数を渡したり、お弁当業者からの納入品を運んだり、食べ終えたお弁当ガラをまとめて袋に入れたり、選手と関係者の食事を支える業務にあたりました。
ボランティア業務は15時過ぎに終了。よく晴れた秋空の下で少し疲れてはいるものの、全国障害者スポーツ大会に4年ぶりに関わることができた満足感がそれぞれの顔に満ちていました。

障がい者スポーツを通じた
つながりを確認

TANAKAホールディングスは、日本パラスポーツ協会のオフィシャルパートナーとなっていますが、この全国障害者スポーツ大会では、同じくオフィシャルパートナーを務める企業も何社か会場にブースを出展されており、ボッチャや義足の体験などの機会を提供。特にボッチャは始めやすく戦略の組み立ても重要となる競技であることから近年知名度が上がっていて、多くの人がブースでボールを投げて面白さの一端に触れていました。他にも栃木名物が味わえるブース、地元企業のPRブース、スポーツ用品の販売ブースなどが軒を並べ、秋の一日を好天のもとで過ごそうと繰り出した多くの人で賑わいを見せていました。

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社様のブースでは、ボッチャ体験も。「気軽にパラスポーツに触れる機会を増やしたい」とご担当者はお話しされていました。パラスポーツへの理解促進に向けた活動のみならず、普段から地域の盛り上げに熱心で、自転車安全講習会等も開催されているそうです。

東京ガスネットワーク株式会社様のブースに用意されていたのは、体験できる競技用義足。カーボン製で反発力が強く、選手のパフォーマンスを最大限に高めてくれます。健常者が靴を履いたまま装着することができ、試した人はその性能の高さに驚いていました。普段体験できない競技用義足を実際に試すことで、それを使って競技する選手の技術や努力も実感することができました。

活動してみて、
こんなことを考えました
——田中貴金属グループからのボランティア参加者に話を聞いてみました

  • 公私問わず約20年様々なボランティア活動に参加し、現在も小学生年代サッカークラブのコーチや審判活動をライフワークとして続けています。障がい者スポーツのボランティアにも参加し続けてきました。ハンディを乗り越える姿に感動しますし、現場を知ることで自分の活動にもフィードバックできます。今回はスタッフや役員に配るお弁当ブースの総務を任せていただき、今までの経験を発揮して無事に任務を果たせました。ボランティア活動は、仕事でのマネジメント力を鍛えられる場でもあり、また誰かの役に立てる素晴らしい機会です。今後も時間の許す限り積極的に関わり続けます。
  • ボランティア活動自体、初めての経験です。どんなことをするのかとても興味がありました。また、田中貴金属グループの企業に勤める者同士、活動を共にして交流するいい機会にもなったと思います。
  • 会社では障がい者雇用に関わる業務に携わっていますが、この活動でトータルに関わることができたと思っています。
  • ずっとボランティアに参加したかったのに中止や延期になり、今回はリベンジです(笑)。自分が配ったお弁当が選手の力になってくれれば、と思いました。障がい者と健常者の境なんかなくて、みんな普通のアスリートですね。
  • 人の役に立ちたい、とずっとボランティアに関わってきました。出身地の上海エキスポや東京2020でも活動しています。チーム内の役割分担、障がい者が感じる不便の見極めなど組織づくりにも通じる大変さがありますね。
  • 学生時代マラソン大会に出てボランティアや地域の方々の応援に力をもらった経験から、陰で支える人の大切さを実感、ボランティアに興味を持ってきました。社内の他部署の人たちと交流し、人間関係を広げるいいチャンスになることも参加した動機です。

その他、「大変だけれど大会を動かす力になっている」「初対面の人たちと同じ目的に向かっていると実感」という声、「高校生ボランティアもいたが、自分がこの年代の時何をやっていたんだろう」と我が身を振り返った感想も聞かれました。みんなおしなべて、「ぜひ来年もやりたい!」と言っていたのが印象的です。

ボランティア経験や障がい者と触れ合う機会の少ない社員も、こういった活動に参加することで「選手や大会を支えられる」という実感ができます。彼らの体験が会社全体に広がっていき、「積極的に社会に役立つ活動をしたい」という遺伝子にまでつながっていきます。
これからも田中貴金属グループは障がい者スポーツへの支援と協力を続け、共生社会の実現に向けて貢献してまいります。