CSR(企業の社会的責任):障がい者スポーツ支援活動

2019年 ジャパンパラゴールボール競技大会レポート

静寂の中の熱い攻防。
ゴールボールの応援ボランティア

視覚以外の感覚を研ぎ澄ませて、ゴールに迫るボールをブロックするスポーツが「ゴールボール」です。パラリンピックの正式種目にもなっているこの競技、まるで見えているかのようなスーパープレイ続出で注目を浴びています。2019年2月2日に行われた「ジャパンパラ ゴールボール競技大会」の応援観戦とボランティアに、田中貴金属グループからも社員が参加しました。会場の様子、体験会の感想、パラスポーツに対するこれからの社員の思いなどをご報告します。

音や振動を頼りに
繰り出されるスーパープレイ

ゴールボールとは、中に鈴を仕込んだゴムボール(バスケットボール大)を相手ゴールに向けて投げ合って得点を競う競技です。1チーム3人で構成され、選手の視覚はアイシェード(目隠し)により徹底してふさがれています。これは、視力や視野のばらつきによって競技力に差を出さないためのルール。ゴールを守るためには、ボールから出る鈴の音や床の振動、相手選手の足音などでコースを判断しなければなりません。観客は、競技の妨げにならないようプレー中に声を出して応援することが禁止されています。
静寂の中で、勢いのあるボールの行き来や選手たちの身体を張ったディフェンスが熱く繰り広げられ、思わず手に汗握ってしまいます。視覚がふさがれているのにどうしてボールが来ているのがわかるの?と驚くシーンもしばしば。選手たちはあらゆる手がかりを駆使して、相手の位置やボールのコースを頭の中で描いているのです。また、攻撃側も鈴の音がしないような投げ方をしたり、味方同士でパス交換をしたり、さまざまなテクニックを使って相手を揺さぶります。その駆け引きも見ものです。


  • 女子日本代表チームのスロー。男子では、
    時速60~70kmになると言われています。

  • ゴールの幅は9m。選手は声をかけ合いながら、横になってゴールを守ります。

  • プレー中、観客席では声を出せません。この
    ようなボードで知らせます。

会場全体に広がった連帯感

社内にてパラスポーツの啓発活動を行う田中貴金属グループの社員たち(通称・パラサポーター)が応援観戦に訪れたのは、千葉市の千葉ポートアリーナ。2月1日(金)から3日(日)まで開催された、JPSA主催の「ジャパンパラ ゴールボール競技大会」です。出場国は世界ランキング4位の日本の他、ブラジル(世界ランキング1位)、トルコ(同2位)、アメリカ(同6位)の4か国。3日間を通じた試合で、日本はブラジルに次ぐ2位を獲得しました。そのうち2日(土)の試合の取材レポートをお届けします。
競技中、パラサポーターたちは観客席から息を詰めて試合を見守ります。響いてくるのはボールの音と足音、選手同士のかけ声。そして競技の合間には会場にノリのいい音楽が流れ、みんなで手拍子をして盛り上ります。このコントラストもゴールボールの特徴で、会場全体をひとつにする演出がうまく活かされています。
試合の合間には、観客から希望者を募って体験会も。ボールの扱いを教わった後、実際にアイシェードを着け視覚をふさがれた状態でボールを投げ合います。「この状態でよく選手はあんなに動けると思った」「体験してから試合を観ると一人ひとりの動きが理解でき、2倍面白い」といった声が聞かれました。
また、ボランティアとして受付を担当した社員たちもおり、応援面と運営面両方で大会に協力しました。
(世界ランキングは2018年12月31日現在)


  • ベンチの監督やコーチは相手の戦術分析をし
    てバックアップ。チーム一丸の戦いです。

  • ナイスプレイ! 間一髪のセーブに、観客席
    から盛大な歓声が起こります。

  • 田中貴金属グループの応援席。みんなひとつ
    になって声援を送りました。

  • 試合の合間に行われた体験会では、この競技
    の難しさと奥深さを実感。

  • 2位となった日本チームに、メダルが授与さ
    れます。

観戦をきっかけに、
他のパラスポーツにもさらなる興味を

今回の応援観戦では、ゴールボールを観るのが初めてというパラサポーターも多くいました。話を聞いてみると、パラスポーツへの興味も高く、何でも観てみたいという気持ちが社内での募集に手を挙げたきっかけと言います。体験会にはほぼ全員が参加し、この競技の奥深さを身体で知ることができました。次もまた来たい、他のパラスポーツも観に行きたいなど、興味はさらに広がったようです。これからもパラスポーツへの理解と協力意識を強め、自分ごととして関わりを深くしていけたら、さらに素敵な世の中になるのでは。


  • パラサポーターは、揃いのベストを着用。
    背中の「タナサポ」の文字が目印です。

  • 応援以外にも、受付ボランティアとして3名が

  • 応援以外にも、受付ボランティアとして3名が協力しました。
    協力しました。

当日聞いたパラサポーターの声

  • これからはボランティアもやってみたい
    パラスポーツ観戦は初めてです。体験会を通じ、目隠しした中であんな動きができてすごいなと実感しました。これからはパラ陸上や水泳を観てみたいし、ボランティアとしても協力していきたいですね。
  • できる限りのことでお手伝いできたら
    ゴールボールって、いろんなフェイントを使ったり作戦を立てたり、とても面白いですね。パラスポーツはボッチャをやったことがあります。ボランティアも含め、自分ができることでお手伝いしたいです。
  • 家族で積極的に関わっていくつもりです
    この競技には興味があったんですが、体験してから観るとまた違いますね。パラスポーツへは、家族ぐるみで関わっていきたいと思います。車椅子の介助など、難しいことも勉強したいですね。