次に、金粉を熔解する為に装置に投入し、約1200℃まで温度を上げます(金の融点は1064.18℃)。
溶融した金は、装置の中で冷却され、米粒の半分くらいの均一な粒子になります。この粒子の状態を「ささぶき(笹吹き)」といいます。
ささぶき加工された金は、まばゆいくらいの黄金色の輝きを放ちます。金には、広い範囲の光を吸収する性質があります。つまり、緑から紫色までの光を吸収し、残りの赤から黄までの光を反射します。この反射光が黄金色に見えるのです。これほどの吸収幅をもつ貴金属は金だけです。
金のささぶきを、さらに融解して金を結晶化していくことで、純度を高めることができます。99.999%、いわゆる「ファイブナイン」とよばれる純度のインゴット(鋳造塊)をつくることが可能です。
インゴットは、金のささぶきを融かして鋳型で固めてつくります。金地金の純度は通常99.99%です。
完成したインゴットはひとつひとつ高い精度で検査・計量され、完成します。田中貴金属の金地金には、世界でもっとも権威があるとされるロンドン金市場の公認マーク「メルターズマーク」が刻印されます。