クリーンエネルギー社会
その実現のために
水電解の新触媒を開発する

有馬 一慶|田中貴金属工業/開発・生産

豊富な資金と実績が生み出す
充実した研究環境に惹かれた

学生時代は、燃料電池の触媒について研究していました。触媒には貴金属も使用されているということもあり、田中貴金属工業にはその頃から興味を持っていました。決め手になったのは修士一年時に行った、田中貴金属工業の方との共同研究。研究終わりに飲み会にも連れて行っていただき、そこで親しみやすい社員さんの人柄に触れ、徐々に惹かれていきました。

人柄もそうですが、最も魅力的だったのは扱える貴金属量の多さ。100gで数万円もする高価な素材のため、大量に確保するには潤沢な資金が必要となります。ところが、貴金属業界のリーディングカンパニーである田中貴金属工業なら、潤沢に貴金属を持っているため大きなスケールでの実験ができる。ここでなら思う存分研究ができると思い、入社を決めました。

素材や反応させる温度、時間、量
あらゆる条件から真実を明らかにする

今、私が担当しているのは水電解触媒の研究。水電解とは、電力エネルギーにより水を電解することで、水素と酸素を取り出すこと。余剰電力を使用して水電解を行い、水素を保存しておくことで、電力が不足した際に燃料電池で発電することができます。水電解をより効率的に行うことのできる触媒の開発。それが私の仕事です。

触媒に使う貴金属やその混合率、反応させる温度や時間、量などあらゆる条件を変えながら試しての繰り返し。どれだけ条件を変えても、何度繰り返しても思うような結果が出ないことも多くあります。でも、それを辛いと思ったことはありません。思い通りの結果でなくても、それは失敗ではない。この条件では上手くいかないという真実を一つ明らかにしたということ。そう思うと、この仕事は本当に楽しい。一つひとつの実験が、誰も開けたことのないドアを開くようなものですから。

いつか、世界No.1シェアをとれる製品を
自分の手で開発したい

どれだけ楽しくても、仕事ですから結果が求められます。研究が行き詰まったとしても、なんとか突破しなければなりません。そんな時は、安全性を考慮したうえで大きく条件を振ってみる。少し躊躇するくらいの挑戦が、ブレイクスルーを生むんです。

それでも上手くいかないときは、周りに水電解のスペシャリストや、触媒のスペシャリストなど、それぞれの領域に圧倒的な知見を持つ先輩がいます。先輩方の知恵も借りることで、期待に応えられるような結果を出すことができています。

幅広い条件で実験が可能な、充実した環境。業界トップだからこその知識と経験豊富な先輩方。こうした、田中貴金属工業ならではの環境を存分に活用して、いつか世界No.1のシェアをとれるような製品を自分の手で開発したいです。