CSR(企業の社会的責任)

より安全な職場環境づくり

安全で、安心して働ける職場環境づくりは、企業にとって最も重要な、かつ奥深い課題です。
田中貴金属グループは、お互いに協力できる関係づくりを大切にしながら、従業員の安全と健康の確保に取り組んでいます。

安全活動の振り返り

 2022年度の中央方針として「安全を最優先し、安心で・明るい職場を確立する」を掲げ、さまざまな安全活動を進めてきました。2022年度の災害の発生件数は21件でした。このうち、休業日数4日以上の災害は9件発生しました。100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数である「度数率」、1,000延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数である「強度率」はいずれも例年に比べ高くなっています。
 各工場・事業所の安全管理者が参加する安全専門部会において、発生した災害の原因分析、恒久対策を討議し、再発防止に努めています。また、2017年度より毎年行っている「安全対策重点実施活動」は、共通課題の「転倒防止」に加え、各工場・事業所の個別課題「挟まれ・巻き込まれ」「切れ・こすれ」などを設定の上、対策しています。
 交通事故発生件数は2020年度が49件、2021年度が49件、2022年度が37件と減少傾向にあります。交通安全の施策として、ドライブレコーダーの搭載支援に続き、私用車通勤者に対して衝突低減ブレーキ、バックモニターの搭載支援も行いました。
 災害防止対策だけでなく、従業員が安心して働ける環境整備にも取り組んでいます。同一部署に所属する従業員が、作業を行う他の従業員の存在を確認できない、または容易に連絡が取れない状況で行う作業を「孤立一人作業」と定義して、このような状態にならないために、転倒検知とともに位置情報を把握できる仕組みを導入して、日常の就業管理、人員配置を補い、従業員の人命救助を最優先に直ちに対応できる体制を構築しています。
 災害、事故、交通事故の発生件数については、CSRパフォーマンスのページをご参照ください。

度数率の推移(日本国内)

強度率の推移(日本国内)

 グループ会社のMetalor Technologies International SAのMarin工場では、安全操業のための改善活動を進めています。写真のようにリフティングテーブルやバキュームリフトを設置しました。作業場自体も拡張し、高さ調整付き多機能ワークステーションの導入など作業環境の整備を行っています。

安全対策重点実施活動の事例紹介

事例1「転倒」
PGMカンパニー 筑波事業所

PGMカンパニー 筑波事業所

転落の危険があったため、昇降装置導入により荷物を持った状態での階段の昇り降りをなくした。

化学回収カンパニー 湘南工場

化学回収カンパニー 湘南工場

入口床の石タイル部が滑りやすかったため、滑り止めテープ(半透明)を貼り、滑り難くした。

事例2「挟まれ・巻き込まれ」
AuAgカンパニー 富岡工場

AuAgカンパニー 富岡工場

安全柵に手が入る隙間があったため、アクリル板で隙間を塞ぎ、巻き込まれないようにした。

PGMカンパニー 伊勢原工場

PGMカンパニー 伊勢原工場

駆動部分に手が入る隙間があったため、カバーを設置し、手が巻き込まれないようにした。

事例3「薬傷・火傷」
AuAgカンパニー 平塚工場

AuAgカンパニー 平塚工場

シリンジを支える手が滑り、瓶が倒れて薬液が飛散する危険があったため専用治具を製作し、瓶の転倒や薬液の飛散が起こらないようにした。

APカンパニー EEJA(株)

APカンパニー EEJA(株)

湯に直接手が触れて火傷の危険があるホットバスをビーカーマントルに変更して、加温部に直接手が触れないようにした。