CSR(企業の社会的責任):TANAKAが創出する価値

水素社会を切り拓く

次世代のエネルギーとして、水素エネルギーへの注目が高まっています。
田中貴金属グループは、貴金属事業を通じて水素社会の実現に貢献していきます。

気候変動の緩和と水素利用への期待

 2016年に発効したパリ協定を軸に、温室効果ガス排出削減の取り組みが進められる中、脱化石燃料への転換における中核技術とされるのが水素利用です。水素は利用時にCO₂を排出せず、さらに太陽光、風力、バイオマス等の再生可能エネルギーを使用して製造することで、究極のクリーンエネルギー源となります。自動車や家庭をはじめ、多様な用途での水素の利用が国内外で進められています。
 田中貴金属工業(株)では、長年培った貴金属の技術を生かし、燃料電池や水電解に用いる電極触媒及び電解膜をはじめ、水素精製に用いる改質触媒、パラジウム合金水素透過膜等、水素の製造・利用に欠かせない製品の開発・製造を進めてきました。これらを市場に供給することで、水素社会の実現に向け積極的に取り組んでいます。


水電解用電極触媒の開発

 再生可能エネルギーの導入拡大とともに、余剰電力を長期間蓄える大規模電力貯蔵技術の重要性が高まっています。余剰電力で水を電気分解(水電解)して水素を製造・貯蔵し、必要な時に水素から発電、あるいは水素を燃料として利用する「Power to Gas」は、大規模電力貯蔵技術の中で最も有力視される技術の一つです。
 田中貴金属工業(株)では、「Power to Gas」の重要な技術である固体高分子型水電解に使用される電極触媒を開発製造しており、2018年に評価用の触媒付き電解質膜「CCM(Catalyst Coated Membrane)」のサンプル提供を開始しました。装置やインフラ設備メーカーの要求に合わせたCCMを提供することにより、技術開発期間の短縮や、さらなる高効率の装置開発に寄与します。

研究開発向け評価用 CCM
研究開発向け評価用 CCM


燃料電池の可能性とFC触媒開発センター

 田中貴金属工業(株)は30年以上前から燃料電池の可能性に着目し、その電極触媒の開発に取り組んできました。中でも注力しているのが、小型・軽量かつ高出力という特性を持つ、固体高分子型燃料電池(PEFC)用触媒です。PEFCは燃料電池自動車や家庭用燃料電池「エネファーム」に用いられており、2017年にエネファームの累積普及台数が20万台を突破する等、普及が拡大しています。
 PEFCは正負二つの電極とそれを隔てる固体高分子膜で構成されています。負極で水素(H₂)が水素イオン(H+)と電子(e-)に分解され、電子が外部回路を伝って正極に移動することで電流が生じる仕組みです。なお、水素イオンは固体高分子膜を通過して正極へ到達し、そこで電子、酸素(O₂)と反応して水(H₂O)が生じます。
 2013年にはPEFC用触媒の研究開発、製造拠点として神奈川県にFC触媒開発センターを設け、安定供給体制を整えていましたが、燃料電池バスの普及等の背景を鑑みて、需要増に対応すべく、現在FC触媒開発センターに新棟を建設しています。

PEFC用電極触媒
PEFC用電極触媒

TANAKAが提供する燃料電池ソリューション