CSR(企業の社会的責任):持続可能な未来に向けて

さまざまな可能性を拓く

田中貴金属グループは、創造性に富む技術力で貴金属の可能性を追究し続けてきました。
そして貴金属の優れた特性を幅広い産業分野に活かすことで、持続可能な未来をつくるためのさまざまな技術革新を支えています。

貴金属の可能性

 白金、金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムの8元素からなる貴金属は、薬品に強い、錆びない、電気をよく通す、よく延びる、熱に強い、触媒作用を持つなど多くの特性を兼ね備え、無限の可能性を持つ素材です。田中貴金属グループは「貴金属を究める」をスローガンに、長年磨いてきた技術で、貴金属の特性を活かした製品の研究開発と安定供給、リサイクルに取り組んできました。貴金属の可能性を引き出す事業活動を通じて環境問題やエネルギー対策などに有効な製品の開発と提供に挑戦し、ゆとりある豊かな社会の実現と美しい地球の未来に貢献していきます。

●貴金属材料の応用市場の広がり

産業と技術革新

○CVD/ALD用貴金属プリカーサー(前駆体)

 スマートデバイスが普及し、情報化が進む昨今において、半導体性能の向上とコスト低減への取り組みは絶えず求められてきました。最先端半導体の製品化において、新たなプロセスや優れた新材料を見出すことは、これらのイノベーションに不可欠です。特に、半導体デバイスの微細化において新たな材料開発は急務の課題とされ、貴金属を用いたプロセスも提唱されるようになっています。
 田中貴金属工業(株)では、化学的・電気的に優れた特性を示すルテニウムをはじめ、白金、イリジウムなどの薄膜形成に用いられる「CVD/ALD用貴金属プリカーサ-」の開発に取り組んでいます。先端半導体の高性能化に貢献する貴金属プリカーサの設計・開発と当社独自のリサイクル技術によるコスト低減により、半導体デバイスを通じた情報化社会への技術革新に貢献します。

※CVD/ALD:Chemical Vapor Deposition(化学気相成長法)/Atomic Layer Deposition(原子層堆積法)

○FC(燃料電池)

 水素社会の構築に向けて、燃料電池の普及が世界的に進んでいます。田中貴金属工業(株)は長年燃料電池の電極触媒の開発に取り組んでおり、固体高分子型燃料電池(PEFC)用電極触媒で世界トップクラスの出荷量を誇ります。
 小型・軽量かつ高出力なPEFCは、燃料電池自動車や家庭用燃料電池「エネファーム」などに用いられており、需要増が見込まれています。そこで2019年1月、電極触媒の研究開発・製造拠点、FC触媒開発センターの生産能力を大幅に増強しました。
 また、同年2月から3月に東京で開催された世界最大規模の燃料電池の展示会「FC EXPO2019」にて、燃料電池用電極触媒のほか、水素製造に必要な水電解用電極触媒、高純度な水素精製を実現するパラジウム水素透過膜などを展示しました。製品の研究開発と安定供給に努め、水素社会の実現に貢献します。

2019年1月増設したFC触媒開発センター
2019年1月増設したFC触媒開発センター

○身体に優しい手術・治療

 医療分野では身体への負担が少ない治療が求められる中、麻酔や皮膚の切開が最小限で済むカテーテル治療の技術が進化しています。カテーテル治療に用いるガイドワイヤーやステントなどの器具とそれらの体内での位置を示すマーカーは、体内に留置した際の安全性やX線透視下での視認性の高さといった性能が必須で、その材料には白金や金、イリジウムなどの貴金属が適しているとされています。
 田中貴金属工業(株)は貴金属における高純度な品質と微細な加工技術を活かして、こうした医療用体内留置デバイス向け白金材料の開発に取り組んでいます。国内の臨床現場のニーズに対して的確かつすみやかに対応可能な製品の実用化に向けて、東海大学医学部との産学連携による開発を進めています。医療分野における貴金属素材開発を通じて、QOL(quality of life:生活の質)の向上など、人々の健康と福祉の増進に寄与したいと考えています。