CSR(企業の社会的責任):持続可能な未来に向けて
研究開発
田中貴金属グループにとって、研究開発は価値創造の源泉です。
広い視野をもって貴金属の可能性を追求し、より豊かな社会、そして美しい地球への扉を着実に開き続けています。
パワーデバイス向け「活性金属ろう材/銅 複合材」を開発
~次世代ヒートシンクなどへの貢献~
田中貴金属工業(株)では、銅(Cu)材の片側に活性金属ろう材を複合化(クラッド)した製品を開発しました。セラミックス(酸化物、窒化物、炭化物)や炭素素材など任意の材料にダイレクトに接合することができるため、パワーデバイス用セラミックス回路基板や次世代ヒートシンクへの適用が期待されます。特長として、溶剤を含まない材料であるため、残渣がなく、接合信頼性が向上して、VOC(揮発性有機化合物)が発生しません。加えて、ろう付時間が大幅に短縮されることで省エネルギーとなり、環境負荷の低減も期待されます。
活性金属ろう材/銅 複合材:
左・複合材(銅側)
右・複合材(活性金属ろう材側)
高い分散安定性により高濃度調製可能な「金ナノシェル粒子」を開発
~バイオセンサーほか光学機器応用へ期待~
金ナノシェル粒子は、シリカなどの粒子表面を厚さ約10nmの非常に薄い金の層(シェル)で覆うように設計されており、強い表面プラズモン共鳴を示します。また水溶液中および極性溶媒中での高い分散安定性により、現在市販されている金ナノ粒子に比べ100~1000倍高い濃度で分散液を調製することが可能です。金ナノシェル粒子全体の大きさは80nm~250nmの範囲で制御でき、幅広い光学特性をもたせることが可能です。特に高濃度に調製された直径数百nmサイズの粒子は三次元的に集積・構造化することが容易であり、表面増強ラマン散乱、光熱変換材料など可視光から近赤外光領域の光に応答する光学材料としての利用と、高画質を求める液晶に採用される光学ディスプレイや光センシング、プラズモニックナノアンテナや、がん検査などに用いられるバイオセンサーなどの光学機器への応用が期待できます。
100%リサイクル材のみを利用した再生貴金属材
「REシリーズ」を発表
REシリーズ(読み方:アールイーシリーズ)は、金(Au)や白金(Pt)などの貴金属資源において100%貴金属リサイクル材のみを精製利用した再生貴金属材です。田中貴金属工業(株)では、創業以来、貴金属リサイクル事業を行ってきましたが、この度、REシリーズ製造ラインを拡充することにより、100%リサイクル貴金属材のみを用いた製品提供を進めることとしました。第1弾製品として、REシリーズの金を用いためっき用金化合物(PGC-RE)を2022年4月から供給しています。
知的財産の創出と保護
発明、考案、意匠、商標、著作物などの知的財産およびノウハウは、企業の重要な財産であるとの認識のもとに、積極的な創出に努めています。新技術の研究、製品・商品の開発、生産および販売にあたっては、第三者の知的財産権を尊重し、侵害行為に対しては各国の法令に則って厳正に対処しています。また、知的財産への意識向上のため、技術部門を中心に年間を通して知的財産教育を実施しています。
知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言
COVID-19対策支援宣言は、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とし、賛同者が国内外で保有する知的財産権を行使しない旨の宣言をするものです。当社は本宣言に則リ、新型コロナウイルス感染症の早期終結に貢献してまいります。