CSR(企業の社会的責任):信頼を築き続ける

地球環境を守る

美しい地球を未来へ継承することは、国際社会共通の課題であり、大きな挑戦でもあります。
田中貴金属グループは、事業活動による環境への負荷を最小化するために、あらゆる可能性を追求しています。

 中期経営計画「GOGO計画2020」に基づくグループ全体の環境活動方針を策定し、2020年度の「ありたい姿」を「国内における環境リーディングカンパニーになる」としています。

環境マネジメントシステム

 国内全生産拠点で環境マネジメントシステム「ISO14001」の認証を取得し、環境保全活動を実施しています。特に、CO₂排出量削減(地球温暖化の防止)、産業廃棄物排出量削減(循環型社会の形成)、環境異常撲滅活動(汚染の予防)については、グループ全体の目標を定め積極的に取り組んでいます。
 環境保全活動を着実かつ円滑に推進するために、各工場・事業所長で構成される中央環境委員会を最上位としたグループ組織体制を構築しています。また、SHE 推進室長会議、環境管理者で構成される環境専門部会を定期的に開催し、情報共有および積極的な意見交換を重ねています。
※SHEは、「安全、衛生、環境」の略です。

地球温暖化防止の取り組み

 田中貴金属グループでは、省エネ法に準拠するためエネルギー原単位を毎年1%改善する目標を定めています。
 エネルギー使用量は好調な事業環境を反映して2015年度より微増傾向でしたが、2019年度は新型コロナウイルス等の影響を受けて生産活動が減ったために前年度比1.2%減となりました。原単位は、2013年度比85.3%の目標に対して78.8%で達成しました。一方、CO₂排出量も着実に減少しています。
 今後もさまざまな機器の効率化や運用改善等の省エネ活動を強化します。
〇太陽光発電の導入
 2020年1月より、田中貴金属工業(株)平塚工場で太陽光発電の稼働を開始しました。工場全体のエネルギー使用量に対して3%の削減効果を見込んでいます。
 当社グループの太陽光発電導入事業所は5拠点となりました。

廃棄物削減の取り組み

 田中貴金属グループでは、産業廃棄物排出量を基準年度(2011-13年度平均)比で毎年2%削減する目標を定めています。
 2019年度は基準年度比64%削減(3,620t)の目標に対して、実績は50%削減(5,080t)で未達となりました。FC触媒開発センター(神奈川県平塚市)と袖ケ浦工場(千葉県袖ケ浦市)の本格稼働のほか、環境異常発生によって排水処理が停止した時期に産業廃棄物として処分したことも影響しました。事業拡大に伴う廃棄物の発生を抑制できるよう、さらなる対策を進めます。

水使用量の削減

 世界的に水不足への懸念が高まっており、事業活動における水使用量の削減に努めています。
 グループ全体の水使用量としては、2017年度をピークに減少傾向が続いています。使用量を工場別にみると、湘南工場、富岡工場で全体の約半分を占めています。
 今後も排水処理による自工場内での水リサイクルやプロセス改善などにより、水資源の有効活用に努めます。

環境汚染の防止

 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR※法)」に基づく対象物質について、環境への排出量および事業所外への移動量を国に届け出ています。
 2019年度のグループ全体の排出量は159kgでした。大気への排出が多く、土壌への排出や埋立処分はありませんでした。
 今後も環境汚染を防止するため、事業活動における化学物質の適切な管理に努めます。
※ PRTR Pollutant Release and Transfer Register
 (化学物質排出移動量届出制度)

環境異常撲滅活動

 大気汚染、水質汚濁、土壌汚染などを未然に防止するため、法規制よりもさらに厳しい社内管理値を設定しています。特に、大気および水質などについては、原則として法制値などの2分の1を社内管理値としています。
 「環境異常(社内管理値超過など)」発生時には迅速に対応するとともに、原因の把握と再発防止に努めています。社内では「環境異常速報」による情報伝達を、関係行政当局へは「通報・届出基準」に基づく報告を行っています。2019年度は、環境異常が5件発生しましたが、即時、対策を実施し再発防止に努めています。

生物多様性保全

 田中貴金属グループでは、2019年度より生物多様性保全の取り組みとして、NPO法人鶴見川流域ネットワーキング(神奈川県横浜市、岸由二代表)との連携を開始しました。同NPOが2019年4月より開始した「多自然川づくり 花さくいるか丘陵プロジェクト」を支援しています。いるか丘陵とは、高尾山の東方から町田、川崎、横浜、横須賀、三浦半島までの多摩三浦丘陵地帯が「いるか」の形に似ていることから岸代表が名付けました。
 同プロジェクトでは、花粉症の原因となる外来種の「ネズミホソムギ」等に覆われて除草などの定常的な作業が必要な場所に、代替可能でかつ軽度な管理で維持できる魅力的な在来植物(ハナウド、ヤブカンゾウ、ノカンゾウ、ハマカンゾウなど)を転植し、安全で生物多様性豊かな多自然ビオトープを創出することを目指しています。ハナウドは4~5月、カンゾウ類は、7月から9月にかけて美しい花を咲かせるとともに、ハナウドはキアゲハの幼虫を育て、カンゾウ類の花にはジャコウアゲハなどのさまざまなアゲハ類が訪れて蜜します。
 当社では、いるか丘陵の3か所で本プロジェクトを支援しています。

綱島バラ島でのノカンゾウ移植

 2019年11月2日、鶴見川の綱島バラ島でノカンゾウ500株を移植しました。当日はNPOスタッフに加えて、当社従業員およびご家族11名も参加しました。

 ノカンゾウの移植作業のほか、生きもの探しやボート体験も行いました。


  • 生きもの探し

  • ボート体験

 当日の模様を動画で公開しています。

エコカフェ開催

 2019年9月18日、東京ビル本社でエコカフェを開催しま業員が鶴見川の生きものとふれあいました。


  • ミニ水族館

 また、「多自然川づくり 花さくいるか丘陵プロジェクト」について岸代表にご講演いただくとともに、自然の大地に由来する「流域住所」を作成するワークショップを行うなど、生物多様性から防災まで深く考える機会となりました。


  • 岸代表による講演

  • ワークショップには田苗社長
    (当時)も参加

 くしくも、3週間後の10月12日に関東を直撃した台風19号は大きな被害をもたらしましたが、ワークショップの参加者からは「流域住所をつくっていたので冷静に対処できた」「決壊した河川の情報ではなく、自宅が位置する流域の河川を自治体のライブカメラで見ていた」などの感想が寄せられました。