CSR(企業の社会的責任):TANAKAが創出する価値

研究開発

田中貴金属グループにとって、研究開発は価値創造の源泉です。
広い視野を持って貴金属の可能性を追求し、より豊かな社会、そして美しい地球への扉を着実に開き続けています。

ジカウイルスの検出試薬を開発

 世界で初めてイムノクロマト法によって、血中から直接ジカウイルスを検出する試薬を開発しました。本検出試薬は、10~15分という短時間で迅速にジカウイルスを検出することが可能になったため、従来の検出方法よりも簡便かつ短時間、低コストを実現しました。
 本検出試薬開発の背景として、ジカウイルスの感染は2015年からブラジルを中心に流行が続いており、感染すると発熱、結膜充血といった症状を伴うジカ熱を発症します。感染後の早い時期から直接的、特異的かつ簡便、迅速に検出できる試薬が求められていました。
 当グループでは、蓄積された技術、独自の抗体スクリーニング技術、並びに長年に渡って蓄積した金ナノコロイドの製造技術を応用することによって、ウイルスそのものを直接検出できる試薬を開発しました。

金コロイド
金コロイド

TANAKA NOW

田中貴金属工業株式会社 新事業カンパニー 診断キットビジネスユニット
開発部 リーダー 鈴木 啓太

 診断キットビジネスユニットは、操作の簡単な検査薬を世界中のお客様に提供すべく、日々精力的に開発を行っております。この検査薬には金コロイドが使われており、金コロイドを物理的・化学的に制御、修飾することで、検査薬の高性能化を図っています。
 発展途上国における人口増加や先進国における高齢化、交通網の発達による感染症のパンデミック化等によって医療費はますます増え続け社会的な問題になっています。今後も診療に役立つ検査薬を開発・製造することによって、医学的にも経済的にも貢献していきます。


知的財産権の創出と保護

 特許権、実用新案権、商標権、意匠権、著作権などの知的財産権及びノウハウは企業の重要な財産であるとの認識のもとに、積極的に知的財産権の創出に努めています。
 新技術の研究、製品・商品の開発、生産及び販売にあたっては、第三者の知的財産権を尊重し、故意に侵害しないことはもちろんのこと、他社からの侵害行為に対しては各国の法令に則って厳正に対処しています。

2016年度に取得した特許から

超微細回路を簡便・高速・大面積にできる新原理の印刷技術を開発

 産業技術総合研究所、東京大学、山形大学と共同で画期的な印刷技術「スーパーナップ(SuPR-Nap)法」を開発しました。スーパーナップ法は、紫外線照射でパターンニングした基材表面に銀ナノインクを表面コートすることで、照射部分のみに銀ナノ粒子を選択的に化学吸着させ、吸着した粒子と粒子の自己融着で低抵抗の銀配線を形成します。この方法により、基材に強く密着し、最小線幅1マイクロメートルの超高精細な金属配線を、真空技術を一切使うことなく、大面積基材上に簡便・高速に印刷で作製することができます。
 本技術によってフレキシブルなタッチセンサーが実用化される予定です。

TANAKA NOW

田中貴金属工業株式会社 新事業カンパニー 技術開発統括部 化学材料開発部 牧田 勇一

 化学材料開発部では貴金属のナノ粒子や化合物を開発していますが、その中で本開発はフィルムへの印刷というこれまでに経験のない分野に取り組んでいます。そのため当初は初歩的な原因で失敗することが多々ありました。しかし、社内外の方々と議論することでフィルム加工のノウハウを吸収し、それにTANAKAの貴金属粒子の技術を組み合わせることで、現在では他社にはない独自の技術が開発できております。今後も機能性貴金属を用いた印刷による製品分野へのTANAKAの新たな事業展開を支えるよう研究開発に邁進してまいります。