CSR(企業の社会的責任):第三者所感・田中貴金属グループより

第三者所感

仮に「田中貴金属グループの印象は?」と問われたら、私は「企業価値というタネを埋め込む会社」と表現するでしょう。それは平塚工場でのさわやかな笑顔や、まるで川のように流れるラインの極小部品を見たときに感じられたことでした。
この経験を踏まえて本報告書の内容についてコメントします。

3つのキーワード 自由闊達、「つなぐ」、企業価値

 今年のトップメッセージには、昨年に続き2020年を目標年度とする中期経営計画の達成に向けた「攻めと守りの施策」がしっかりと掲げられています。そしてわが眼に飛び込んできたのは、「自由闊達な企業風土」と2020年に向けた「ありたい姿」という文字でした。
 続いて、「障がい者スポーツ支援」と「熊本・東北復興支援」という二大活動への取組が表明されていることでした。
 私はトップの言葉にどのような意味が込められているのかと、何回か読み返しました。そしてようやく、今年新たに「TANAKAが創出する価値」について組み込まれたことの意味が、徐々に理解できるようになりました。
 産業面では、まさに工場で目に飛び込んできた「電極、配線、接点」や「触媒」のことが述べられています。また右ページの資産・宝飾面では「安心、信用、リサイクル」について語られるなかで「お客様の期待を裏切らないという姿勢は、製品や接客に滲み出る」という印象的な言葉が書かれています。
 当社の製品もお客様の接客も、モノとモノ、人と人とを「つなぐ」ところに意味が込められているのではないでしょうか。部品は国内取引先だけでなく、アジア各国から欧米にまで届けられます。またその原料は、世界各国の地域から輸入され、田中貴金属グループで新しい価値を生んでいきます。
 私が冒頭で「企業価値」に触れたのは、当社の事業や活動が、たとえ直接見えなくても、世界の産業や人びととしっかりつながっていると思ったからです。しかも4ページの企業業績を見ると、当社は1兆円企業です。日本にはこの規模の企業は、150社ほどしかありません。環境マネジメント規格であれ社会的責任規格であれ、要求されているのは「影響力にふさわしい活動」ですので、この面でもバランスを取っていく必要があります。

「1997年」と「2020年」とつなぐもの

 2020年は当社の中期経営計画の目標年次であると共に、東京オリンピック・パラリンピックが開催年です。今年から来年にかけて、施設整備からボラティア募集までさまざまな準備の姿が見えてくるでしょう。それと同時に、シドニーオリンピックから取り組まれ始めた環境配慮への取組も加速していくことでしょう。
 すでに大会組織委員会からは「持続可能性に配慮した調達コード」も発表され、今年4月に発効されたISO20400(持続可能な調達)と併せて、これまでの環境やCSRへの配慮行動への取組は強まりこそすれ、後退することはないでしょう。ぜひこの新たな潮流のなかで、当グループなりのリーダーシップをしっかりとっていただきたいと思います。
 リーダーシップの欠かせない条件のひとつは「優秀な人材を周囲に集めて、その能力を使いこなす」ことだと思います。いかに有能でも一人では何もできません。周囲の人や取引先を巻き込む能力、そして人材を生かし使いこなす能力をもって、事業やCSRの活動のタネを見いだし、育てていただきたいのです。
 そのためには、このCSR報告書の各項目の相互関係をしっかり読み解いていただくだけでなく、当グループウエブサイトに掲載する各種情報や各職場・ラインでの体験や経験と重ね合わせて読み込んでいただくことを切望しております。

筑波学院大学客員教授
CCI研究所代表
日本広報学会 経営コミュニケーション研究チームリーダー
日本パブリックリレーションズ協会監事
環境カウンセラー

清水 正道

田中貴金属グループより

第三者所感を受けて

 田中貴金属グループは、GOGO計画2020における2020年のありたい姿「自由闊達な企業風土を継承し、貴金属事業の3本柱の更なる推進により、グローバル企業に成長・発展している」に向け、安全を最優先した活動、産業廃棄物の削減活動、CO2排出量削減活動、環境異常ゼロ活動等により、企業のブランド価値を向上させるとともに持続可能な社会の実現に貢献することを目指したCSR活動に積極的に取り組んでおります。
 CSR報告書2017年版は、新たな紙面構成のひとつとして「TANAKAが創出する価値」を取り入れました。これは、昨年版に対する「CSR推進活動をより理解して頂く為の工夫が必要である」との清水先生のご指摘を踏まえて、ステークホルダーの皆様のご理解を深めていただける分かりやすい構成内容を目指したものです。
 また今年度いただきました「新たな潮流のなかで、当社なりのリーダーシップをしっかりとっていただきたい」という課題に関しては、田中貴金属グループがグローバル企業に成長・発展する為の重要な案件として受け止め、CSR推進活動と共に積極的にグループ全体に展開していきます。
 このCSR報告書によってさらにステークホルダーの皆様のご理解が深まりコミュニケーションツールとして役立つようにしたいと思っておりますので、ご意見・ご感想をお寄せいただければ幸甚です。

TANAKAホールディングス株式会社
執行役員
CSR・広報本部 本部長

川岸 哲哉